予算委分科会 教育に穴を開けるな 教員の抜本増員を
投稿日:2017年02月22日

193-衆-予算委員会第四分科会-1号 平成29年02月22日

○斉藤(和)分科員 日本共産党の斉藤和子です。
 まず初めに、天下り問題で中間報告が出され、菅官房長官からも、教育行政をつかさどる省庁として決してあってはならないことで極めて問題だというふうな会見での言葉もありました。悪い意味で文科省が注目されている、こういうときだからこそ、教育現場の声を真摯にぜひ受けとめていただきたいということを初めに強調して、質問に入らせていただきます。
 学校現場の現状、特に、教育に穴があくという問題、教員未配置とも言われますけれども、この問題について質問いたします。
 義務教育の学級編制と教職員定数の標準を定めたものに、義務標準法があります。その第一条には、「この法律は、公立の義務教育諸学校に関し、学級規模と教職員の配置の適正化を図るため、学級編制及び教職員定数の標準について必要な事項を定め、もつて義務教育水準の維持向上に資することを目的とする。」というふうにあります。
 この義務標準法の位置づけ、そして法の趣旨を明らかにしてください。

○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のいわゆる義務標準法でございますが、教職員の給与費を負担する都道府県に対しまして学級編制及び教職員定数の標準を示すものでありまして、また、義務教育費国庫負担金の算定上の基礎となるものでございます。
 具体的な教職員定数及びその配当につきましては、給与負担者である都道府県教育委員会が定めることとなっております。

○斉藤(和)分科員 義務教育の標準を定めたものだと。教育の機会均等と義務教育の水準を維持する上でこれを義務教育の標準として定めているということですから、最低ラインともいうふうにもとれると思います、標準。
 一九八〇年にこの義務標準法は四十人学級になって以降、二〇一一年度から小学校一年生のみ三十五人学級が実施されましたが、実に三十一年ぶりの改正でした。時代の要請からいっても、これを標準とすることは率直に言って不十分であり、早急に三十五人学級にすることが求められていることを強調した上で、お配りしています資料をごらんいただきたいんです。
 これは、公立小中学校の教員定数の標準に占める正規職員の割合を示した文部科学省の資料です。これを見ますと、平成二十八年五月一日現在の教員定数の一〇〇%が正規になっているのは東京都のみです。九〇%を割り込んでいる県は七県あります。八年前の平成二十年と比較しますと、平成二十年段階では三県だったものですから、この八年間で非正規教員がふえている県が目立っているという現状です。
 この現状に対して、大臣はどのような認識をお持ちでしょうか。

○松野国務大臣 いわゆる非正規教員は、さまざまな教育課題への対応などに重要な役割を担っている一方で、勤務時間や任用期間の都合により、児童生徒への継続的な指導や、教職間、地域や保護者との連携に制約が生じるといった懸念や、雇用が安定せず、正規職員と同じ処遇が保障されていないなどの課題もあると考えております。
 具体の教員配置は任命権者である教育委員会が適切に行うべきものでありますが、教育の機会均等や教育水準の維持向上等を図る観点から、可能な限り正規教員が配置されることが望ましいと考えております。
 二十九年度予算において、これまで予算の範囲内で措置してきた加配定数の一部を、義務標準法の改正により新たに基礎定数化を行うこととしており、地方自治体における安定的、計画的な採用、研修、配置につながるものと考えております。

○斉藤(和)分科員 教育の機会均等からいっても正規教員の配置が望ましいという御答弁がありました。それは国民の共通する思いだというふうに感じております。
 しかし、実際は非正規教員がふえている実態がある。振り返ってみますと、二〇〇〇年以前の臨時教職員の配置というのは、産休、育休、病休などの代替と、限定的なものでした。それが、二〇〇一年の定数崩しと言われる義務標準法の改正で、正規教員の定数を複数の非常勤講師に分割、換算して人件費の節約ができるような方向が持ち込まれました。例えば、一日八時間の常勤教員を一日四時間の二人の非常勤教員に振りかえることができるわけです。
 さらに、二〇〇四年、総額裁量制が導入されて、これは義務教育国庫負担金の総額の範囲内で、給与額や教職員配置に関する地方の裁量を大幅に拡大する仕組みであるというふうに言われてきました。
 それが、さらに二〇〇六年には、国庫負担率が二分の一から三分の一に引き下げられて、地方の裁量がさらに拡大されました。しかも、残りの三分の二は交付税措置ですから、これはここに使ってくださいというような色はついていない。その結果、非正規教員の拡大につながるのは当然のことではないかということは、当時から指摘をされていました。
 国は、正規教員が望ましいと、大臣も御答弁されましたけれども、言いながら、やってきたことを振り返ると、非正規教員を拡大するような仕組みをつくってきたのではないか。その責任は重大だと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

○松野国務大臣 平成十三年の学級編制の弾力化及び平成十六年度総額裁量制の導入に伴い、教職員配置について地方の自由度が高まった結果、例えば地方独自の少人数学級が一層進められたものと考えております。
 また、いわゆる三位一体の改革において、義務教育費国庫負担金の負担割合は二分の一から三分の一となりましたが、国と地方の負担により、義務教育の教職員給与費の全額を保障するという義務教育費国庫負担制度は堅持されており、引き続き教育の機会均等や水準維持は図られているものと考えております。

○斉藤(和)分科員 地方の自由度が高まったということで、各地では三十五人学級を既にやっているところが多いわけです。だからこそ、国がしっかりと三十五人にしていくということも逆に言えば求められているということも私は言えると思います。
 ただ、確かに教員の給与の枠は定められている、確保されていると言うけれども、地方が財政困難になれば、やはり、安上がりの臨時教職、言い方は悪いですけれども、非正規になっていく方向性というのは、現にこの文部科学省が出している表からも出ているわけですね。
 臨時教職員の皆さんというのは、非常に多くの矛盾を抱えながら頑張っていらっしゃいます。先ほども大臣から御答弁ありましたが、こういう声を聞きました。
 教員採用試験に落ちたのに、教壇に立って正規教員と同じように生徒たちに教える。部活も校務分掌も、学級担任までやる。採用試験に合格すれば、初任研もあって、担当の先生もつく。しかし、落ちた自分には誰もつかず、いきなり生徒と向き合わなければいけない。しかも、翌年採用試験を受けてまた落ちれば、一体自分は何なのか、そんな自分が子供たちを教えていいのか。こういう自己矛盾を常に持ちながら教壇に立って、子供のためにと踏ん張っていらっしゃるわけです。しかも、来年自分はどうなるか、そういう不安も常につきまとう。
 こういう先生たちの、毎年不安がある、そして、そういう不安を抱えている先生に教えられている子供たちや、毎年先生がかわることに対する、継続性の中で、本当に子供の教育を維持、担保できるのかというところは、やはり真剣に文科省としても考えていかなければいけないんではないかというふうに思うわけです。
 その点で、正規雇用を拡大していくことが一番大事なわけですけれども、財政的な裏づけをやはり文科省としてもしていく必要がある。総額裁量制や国庫負担を三分の一に引き下げられて地方の裁量をふやした、そういう中で三十五人学級を実現している、踏ん張っていらっしゃる自治体もある。しかし、その一方で、非正規をふやさざるを得ないような状況もある。
 地方の裁量が大きくなった分、逆に言えば、財政力やその地方の姿勢によって教育に地域間格差が持ち込まれているというふうにも言えると思いますが、いかがでしょうか。

○松野国務大臣 総額裁量制導入直後である平成十七年度と平成二十七年度を比較すると、教員の定数に対する実配置数の割合はほとんど変化をしておらず、地域間の格差が広がっているとは認識をしておりません。

○斉藤(和)分科員 実配置数は変わっていないけれども、その中で非正規がふえているというのが一番最初に示した資料ですから、それに対してしっかりとやはり地方の声も聞く必要があるというふうに思うわけです。教員の財政措置に対する地方の裁量をふやすのではなくて、国の責任をしっかり果たしていくということが私は求められているということを強調したいと思います。
 しかも、問題なのは、非正規教員がふえているということにとどまりません。産休、育休、病休などの代替教員が見つからないという事態が起こっています。国の義務標準法の定数さえ割り込み、全ての授業を担任の先生が受け持っている、学級担任というのは小学校では非常に多くの授業、全てを持っているわけですけれども、そこに担任が置けないという事態まで起こっています。
 大臣、この教育の、代替が置けずに未配置になっているという現状をつかんでいらっしゃるでしょうか。

○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘の点につきましては、確かに私どもとしては、例えば、今年度千葉県におきまして、教員が病休等のために、それに対応するための代替教員が見つからない、こういった事例があることは文部科学省としても承知しているところでございます。

○斉藤(和)分科員 千葉県の事例がありましたので、ちょっとそれは後で御紹介したいと思うんですけれども、ここで、なぜそういう本来いるべき学級担任が置けないような困難な状況が置かれているのか。私は、そもそもの基準が少ないのではないかというふうに思うわけです。
 お配りしたもう一つの資料も文部科学省からもらった資料ですけれども、学校規模別教職員配置の標準(例)というのがございます。
 これを見ますと、小学校では、一年生から六年生まで、例えば全て三クラスだった十八学級には、校長先生、教頭、学級担任以外にいる先生は二・六人、教諭数でいえば全体で二十・六人になります。対して、中学校は十八学級で三十人になっているんです。中学校が十分とはもちろん到底言えませんし、教科ごとに先生がつく中学校と単純に比較することもできません。しかし、それにしても、余りにも小学校の教員の配置に余裕がなさ過ぎると思うんです。
 小学校は学級担任が全ての授業を受け持つわけですから、休む暇が、息を抜く暇がない。低学年の担任や、多動の子などがいればトイレにも行けない。せめて音楽の授業ぐらい専科の先生にやってもらえたら少しは息が抜けるのにとか、フォローしてくれる人が欲しい、これは余りにもささやかな現場からの要求だと思うんです。
 大臣、この教員配置の標準で十分だというふうにお考えでしょうか。

○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 委員が配付されております学校規模別教職員配置の標準の資料でございますが、これは、いわゆる義務標準法に基づき教職員を配置する場合の具体例を文部科学省としてお示ししているものでございます。したがいまして、各学校における教職員の配置につきましては、給与負担者である各都道府県教育委員会において適切に行われるべきものと考えている次第でございます。

○斉藤(和)分科員 適切に各都道府県でと言うんですけれども、財政措置でやられている標準はこれなわけですね。これに対して十分だというふうな見解を文科省が持っているとしたら、私はより深刻な事態が今後広がると。ここの認識を私は改めていただきたいというふうに思うわけです。
 先ほども御紹介があった千葉県の実態をちょっと御紹介します。
 千葉県のある小学校では、昨年産休に入った先生の、例えばAクラスとします、Aクラスには教務主任が学級担任で入りました。要は、余裕がないからです。
 二月から産休の予定の先生が体調を崩し、早目に休みに入ってしまった。代替教員が来ませんから、教頭や学年のやりくり、つまり、自分が担当しているクラスを自習にして、担任不在のBクラスの授業を何とかやりくりしながら学校現場の人たちがやっている。
 それが、ことしに入って別の先生が新たに産休に入ってしまって、この新たなCクラスは音楽の先生に担任をやってもらっている。担任不在のCクラスは、一月から講師の代替がやっと来たんだけれども、経験がなかったために体調を崩して来られなくなって、結局、あいた状態になってしまった。
 さすがにこれ以上学級進度に差がつくのはまずいということで、苦肉の策で、担任不在のBクラスを二クラスに分けて、本来三クラスを五十四人と五十三人の二クラスにして授業をやらざるを得なかったと。その期間は非常に短いもので、すぐ代替の教員が見つかって、もとの三クラスに分けて授業を行ったようですけれども、別の学校でも、数カ月間代替教員が見つからずに加配の先生に担任をやってもらっているというようなこともお聞きしました。
 こうした余裕のない定数配置の中で、学校現場で、担任不在、定数を割る、教育に穴があくといった実態が起こっております。大臣、どういうふうにごらんになっていらっしゃるでしょうか。

○松野国務大臣 まず、委員が例示をいただいた千葉県の例で、教員の病気、出産等に対応するための代替教員も見つからないといった事例が生じていることは承知をしております。
 また、千葉県の教育委員会において、こうした教員未配置に係る対応として、広報紙やホームページに講師募集について掲載し、広く周知をしていること、大学での説明会において講師制度を広く周知すること、教員採用選考の志願書に講師登録への同意欄を設定するなどを実施していると承知しております。
 また、こうした講師登録者の確保に加えて、今後、これまで六十歳以下を対象としていた臨時的任用講師の年齢要件を、新たに平成二十九年四月一日から、六十歳を超える者についても任用することを可能とする措置を実施すると承知をしております。
 文部科学省としては、引き続き、千葉県において、人事上の工夫等により適切に対応し、代替措置が確実に講じられるように努めていただきたいと考えております。
 ただ、冒頭申し上げましたとおり、やはりこれは正規教員が望ましいというのは文部科学省の基本的な考え方でございますし、また、大変複雑化をしている教育現場において、今、教師の皆さんが大変な多忙感をお持ちである、子供たち一人一人に接する時間をもっと確保したいとお考えだということも十分承知をしております。
 その認識のもとに、平成二十九年度において、発達障害がおありのお子さん等の通級指導であったり、日本語指導が必要な子に対する等々、今まで加配で対応していたものを、標準法の改正法案は提案させていただいておりますけれども、その中において、これはきちっと正規職員化をしてやっていくという、今、改善策も提案をさせていただいているところでございますので、これは財源との問題もございますけれども、しっかりとした財源を確保しながら、そういった定数改善の面でもまた確保に向けて努力をしたいと考えております。

○斉藤(和)分科員 財源との関係でというお話なんですけれども、やはり国の未来をつくるのは子供たちなわけですから、子供たちに質のいい安定的な教育を行うというところに国が責任を持たなくて誰が責任を持つのか。やはり、国全体としてしっかりと義務教育、子供たちに質を確保し、誰でもが受けられる教育を確保していくということを最大限に、優先的に私はやっていく必要があるというふうに思うわけです。
 千葉県は、現場からの要望で、県教委が未配置の実態調査を始めました。十一月からは、何と未配置になっているのが百人を超えているという状態があります。そのうち、小学校は、一月でいえば七十八人が未配置になっている。産休、育休もありますけれども、療養休暇に入っていて代替が埋められないという方が六十六人いる。
 先ほど大臣からもありましたが、社会が複雑化する中で、学校に求められる役割も非常に大きくなっている。そうした中で、余裕のない教員数の中で先生たちが疲れ切っている。文部科学省の調査でも、精神疾患の病気休職者数は平成十九年度以降五千人前後で推移しているという数字もあります。
 また、年齢構成からいっても、今、現場には四十代がほとんどいない。五十代以上と二十代、三十代の若い先生たちで構成されている、こういう感じになっているわけですね。そういう中で産休、育休がふえていくことは見えるわけで、そこに代替教員が見つからなければ、現場はさらに大変な実態になって、精神疾患へとつながる悪循環になりかねないわけです。
 教員が倒れていくということは、教育を受ける子供の権利を奪っている、教育を受ける権利を奪っているということになります。やはり、国が、一体今現在どれだけこういう未配置の状態があるのか、現場がどんな実態で苦労しているのか、それぞれの県教委がどんな苦労をしているのか、これをしっかりつかむ必要があると思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 文部科学省の調査によれば、精神疾患による病気休職者は、委員御指摘のとおり、二十七年度現在約五千名でございまして、これは平成十二年度と比較いたしまして、平成十二年度が二千二百六十二名ということで、倍以上の増加になっているということでございます。
 また、育児休業の取得者についても、二十六年度と比較して二十七年度は二千八百名増の四万人弱ということになっている次第でございます。
 このように、病気休職者あるいは育児休業の取得者数、いずれも増加しているわけでございまして、文部科学省といたしましては、代替教員の必要性がますます高まっているというふうに認識をしております。
 また、委員御指摘のとおり、代替教員が非常に見つかりにくいという状況でございまして、これは非常に問題があると思っております。
 文科省といたしましては、任命権者である各教育委員会におきまして、代替教員が必要となった場合に備えた、例えば先ほど御紹介申し上げた千葉県の事前登録制、こういったことなどの工夫をすることによって、さまざまな人事上の工夫で適切に対応していただき、代替措置が確実に講じられていくことが重要であるというふうに認識をしております。

○斉藤(和)分科員 それぞれの都道府県の対応ではどうにもならないから、こういう未配置が起こっているんです。だからこそ、国が本腰を入れて、どこまで大変な状況になっているのかを調査して、それに見合う対策を打たなければ、子供の教育を受ける権利が奪われかねない。さらに深刻になる。
 ぜひ、大臣、もっともっと現場の実態、こうした未配置、調べる必要があると思いますが、実態をつかむ必要があると思いますが、いかがですか、大臣。

○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 文部科学省といたしましては、子供たちに適切に教育を行う観点から、適切な代替措置が講じられることが極めて重要であるというふうに認識をしております。
 任命権者である各教育委員会がその権限と責任において適切に対応するよう、文部科学省といたしましては、各教育委員会ときちんと情報を共有しながら、今後とも指導して対応してまいりたいと考えております。

○斉藤(和)分科員 情報を共有しながらというお話がありましたので、ぜひ綿密に情報を共有し、やはり未配置になっている現状に対して、任命権者に任せるだけではどうにもならない。やはりしっかりと教員の必要性、複雑化している中で教育現場が大変になっているという御認識、ありました。だからこそ、教員の定数をふやしていくという、国全体で日本の教育をどうしていくのか、やはり子供たちの義務教育をしっかり確保する、そのためには、教育をするのは教員です、そのための確保をしっかりとやっていくという、国全体が本腰を入れていく、このことを強調して、もう時間もありませんので、ちょっと最後に。
 発達障害を含む障害のある子供たちのさまざまな面でのサポートを行っている特別支援教育支援員というのが平成十九年度からスタートして、財政措置が行われています。これは交付税の措置ですけれども、どんな基準で、額で支払われているでしょうか。

○池田政府参考人 お答えいたします。
 特別支援教育支援員の配置に要する経費につきましては、普通交付税におきます小学校費、中学校費等において措置をしております。
 具体的には、例えば平成二十八年度におきまして、支援員の配置に要する経費を、市町村分の学校数を測定単位とする小学校費の単位費用に一校当たり百九十八万六千円を、同じく中学校費の単位費用に一校当たり百十五万七千円を計上しており、それぞれ学校数に応じて算定をしているところでございます。

○斉藤(和)分科員 これは重要な取り組みだと思うんです。
 やはり、発達障害などを持っている子たちがいて、先ほどもありましたけれども、担任の先生が一人だったら、例えば出ていってしまった、そうすると、その子を追っかけないわけにいかないから、ほかの子を置いて担任がその子を追っかけなきゃいけない。しかし、こういう支援員の方がいれば授業を見られるわけです。
 しかし、今お話がありましたように、学校数でやられている。学校にはマンモス校もあれば小規模校もある。しかも、一校当たり百九十八万円、中学校は百十五万円。これでは、必要な人員配置ができる基準とは到底言えないと思います。
 こうした中で、各自治体では、必要性に応じて自分たちの自治体として持ち出しも含めてやっているわけですけれども、文科省としても、しっかりとこの支援員、先生たちの負担の軽減を図っていく上でも、私はこの額を増額していく、もっと言えば、やはり、余裕のない教員配置を真剣に改善していくということが一番のかなめだと思いますけれども、それをやっていくというふうに求めたいですが、そういうこと以外にも、こういうフォローをする先生たち、この増額を求める等々、大臣、いかがでしょうか。

○松野国務大臣 近年、発達障害などによりまして特別な支援を必要とする児童生徒が増加傾向にあることから、障害のある児童生徒の学校生活上の介助や学習活動上のサポート等を行う特別支援教育支援員の活用が一層重要となっております。こうした状況を踏まえ、特別支援教育支援員の配置に要する経費について地方財政措置が講じられているところであります。
 特別支援教育支援員の実際の配置については各地方公共団体の判断に係るものでありますが、文部科学省としても、特別支援教育支援員の配置実績を踏まえつつ、特別な支援を必要とする児童生徒に対して適切な支援がなされるよう努めてまいります。

○斉藤(和)分科員 適切な支援ができるように、ぜひ、自治体もなかなか財政難で苦労をしています、文科省として後押しをしていただきたいということと、根本的には、やはり、余裕のない教員配置、これを抜本的に変えていく、子供の学ぶ権利をしっかりと国が保障していく、未来をつくっていく、その立場でぜひやっていただきたいということを最後に強調して、質問を終わります。
 ありがとうございました。