農水省設置法改正反対討論 2015年5月14日 農林水産委員会
投稿日:2015年05月14日

○江藤委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。斉藤和子君。

○斉藤(和)委員 農林水産省設置法の一部を改正する法律案について、私は、日本共産党を代表して、反対討論を行います。
 反対する第一の理由は、前回の改正において設置された地域センターは、農業経営の安定や食品安全に関する業務を的確に実施するために、大多数の職員が統計調査や食品表示監視などを行ってきました。その地域センターを十分な評価、検証をすることなく、わずか三年半で廃止することは容認できません。
 統計調査は、業務を外部化、合理化することにより民間委託となり、人員削減が大幅に行われます。科学的分析調査は、巡回調査数を減らし、国民にとって重要な業務である監視業務においても調査件数を減らしていきます。これでは、チェック機能の後退だけでなく、農政の構築や推進に必要となる基礎的データの収集、整理、食の安全、消費者の信頼確保に万全を尽くすことができません。
 反対する第二の理由は、改正後の効果を、現場に伝える、現場の声を酌み上げる、現場とともに解決するという現場と農政を結ぶ機能を充実し、農政改革を着実に推進する、そのために、農政を機動的に展開できる体制を整備するとしています。しかし、地域農政の拠点が半減するのですから、現場と農政を結ぶための業務に支障が出ることは明らかです。現場と農政を結ぶというのであれば、全国一律の拠点集約ではなく、地域の実情に合わせた拠点にすべきです。
 本来であれば、農林水産省が主体となり、食の安全、安心を推進し、食品の表示監視を強化すべきです。そのための抜本的な対策に乗り出すべきときに、それに逆行する地域センターの廃止は容認できないことを強調し、反対討論を終わります。
 ありがとうございました。