農水委・農業生産資材安価に/ジャンボタニシ対策を
投稿日:2016年12月13日

192-衆-農林水産委員会-3号 平成28年11月22日

○斉藤(和)委員 日本共産党の斉藤和子です。
 けさ福島県沖でマグニチュード七・四の地震が起き、津波警報、注意報なども出されました。政府におかれては情報収集と万全の対策をとられることをまず初めに求めて、質問に入らせていただきます。
 生産資材の価格引き下げ問題で、これは農業者の営農にとっても重要な課題だと感じています。我が党は一貫してこの問題を取り上げてきました。古くは一九八一年に、寺前巌議員が、農家の物財費が高いために農家の実際の取り分は非常に低くなっている、生産資材価格にもっとメスを入れなければならない、本当に農家は救われないという追及を始め、その後、藤木洋子議員や中林佳子議員、山原健二郎議員、藤田スミ議員と、歴代の我が党の議員が繰り返し、農業用資材、農機具そして肥料などの価格引き下げ問題を追及してきました。
 しかし、ここに来ていきなり、規制改革推進会議は資材価格の引き下げ問題を協同組合の実質的な組織である全農への攻撃に、はっきり言ってすりかえてきている。
 こう言っています。「着実な進展が見られない場合には、真に農業者のためになる新組織(本意見に基づく機能を担う「第二全農」等)の設立の推進など、国は更なる措置を講ずべきである。」とまで言及しています。全国の農業関係者から強い反発が広がることは当然です。
 大臣、これに対する見解をまずお示しください。

○山本(有)国務大臣 御指摘の農協は、農業者によって自主的に設立されました民間の組織でございます。それゆえに、その改革というものは自己改革が基本であるというように位置づけております。
 また、農協改革についての議論は、平成二十六年六月の政府・与党取りまとめにおきまして、五年間を改革集中推進期間として自己改革の実行に期待する、そういう提言でございました。
 また、昨年成立しました改正農協法附則でも、政府は、改革の趣旨に沿った自主的な取り組みを促進するとともに、五年後に農協改革の実施状況等を見て制度の見直し、検討を行うというようにされております。
 こうした観点に立って今回の規制改革推進会議農業ワーキング・グループの意見の内容を精査いたしまして、しかしながら、やはり地に足のついた改革でなければならないということを肝に銘じまして対応を検討してまいりたいというように思っております。

○斉藤(和)委員 地に足のついた改革が必要だからこそ、自己改革が必要であり、自主的な改革が必要なんだということを改めて強調したいというふうに思います。
 農業資材の中でも、農家の負担が非常に強い、重いのが農業機械の問題です。例えば、トラクターやコンバインは、高いものでは一千万円を優に超えています。農林水産省の資料を見ても、農業機械のコストを低減するために行っている、今後行いたい取り組みは何かという問いに、「買い替えまでの期間を長くする」が七割を超え、次いで「中古品を購入する」というふうになっています。
 海外向けは安いというふうにも言われていますが、なぜ農業機械の価格というのはこれほど、一千万円を超えるような高価格になっているんでしょうか。

○山本(有)国務大臣 ことしの一月に行ったメーカー等からの聞き取りによりますと、トラクターやコンバインにつきまして、日本国内と輸出先の韓国国内でほぼ同じ馬力、条数のもので比較いたしますと、韓国に輸出された農業機械の販売価格の方がおおむね一、二割程度安い結果となっております。
 この価格差の主な理由でございますが、韓国など海外で販売されている日本製の農業機械というのは、輸出先国の販売環境に合わせて、日本では標準的な装備である自動制御機能等が省かれていることが多いということがわかりました。
 また、日本では主要四メーカーの販売額シェアが約八割に達しております。韓国では、輸入機のシェアが四割を占めるなど、メーカー間の競争が激しいということも理由に挙げられております。
 こうした要因の中で、できればさらなる改善に取り組んでいただきたいというように思うところでございます。

○斉藤(和)委員 改善をしていただきたいという話がありましたけれども、例えば、私が調べたところによると、二〇一一年の一月、クボタが、海外向けのトラクター、コンバイン、田植え機などを日本市場で開放する、高い基本性能、耐久性、シンプル機能、低価格で低コスト農業に貢献するというような、現行の先ほど言われた国内モデルよりも低価格な機種を国内でも販売するというような取り組みが行われている。こうした取り組みを後押ししていくということは大事だというふうに思うんです。
 クボタの財務データを見ても、二〇一二年の三月から二〇一五年の十二月、三年半で一兆円総資産がふえている。こうした業績も、販売の方は余り変わっていないようですけれども、こうしたメーカー側の努力というのを求めていくということが必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○山本(有)国務大臣 御指摘のように、一円でも安い農業機械を調達できるようにする、これは大事なことでございまして、農業機械メーカー側の取り組みもあわせ必要でございます。
 具体的に考えますと、農業機械の価格引き下げにつなげていくためには、まず部品や仕様の共通化、メーカー間での互換性の確保、それから最低限必要な機能、装備のみ備えた御指摘のシンプルな農機、さらに、高耐久、耐久性の長い農機の製造、販売、あるいは異分野のメーカーの新規参入等による競争の促進、農業機械を初めとする生産資材価格の見える化等が必要でございます。
 このため、今後、このような取り組みが実施されますよう、農業機械メーカーとあるいは関係団体に対して、具体的方策の検討を促すとともに、技術開発あるいは新規参入に向けた環境の整備に支援してまいりたいというように思っております。

○斉藤(和)委員 米価が、本当にこの間、ことしはちょっと回復のようですけれども、やはり、再生産可能な生産費が賄えないという低米価が続いたもとで、コンバインが壊れたら終わりだ、米づくりはやめるしかないという嘆きとも悲鳴とも言える声を私もあちこちで聞いてきました。
 こうした生産費に占める資材価格を引き下げていくという努力は、私は必要だと思います。しかし、根本的には、やはり、再生産可能な価格保障や所得補償など、基本にこういうところを据える。これをやらずに、何か今の農業情勢の問題が全て全農が悪いかのように描く規制改革推進会議の農協に関する意見は、私は率直に言って、農家のためを装いながら、全農を潰してやるんだと宣言しているようにしか思えない、こういう指摘をして、ぜひ、規制改革推進会議、検討されるというふうに言っていましたが、地に足のついた改革であるなら、自主改革、自己改革であるということを再度強調して、次の質問に移らさせていただきます。
 次に、全然変わりまして、スクミリンゴガイ、いわゆるジャンボタニシの被害拡大についてです。
 お配りしている資料をごらんいただきますと、この写真は千葉県一宮町の田んぼで撮影したものなんですが、田んぼの中にも外にも、こういうショッキングピンクの卵がある。原産地はアルゼンチンで、このジャンボタニシが若い稲を食べてしまう、その結果、田んぼの中が沼地みたいになってしまっているという状態があります。これは食用で導入されたわけなんですが、その後、人体に寄生する線虫がいるということで、養殖業で導入されたものが、廃業になった、それが今野生化して、全国で被害が広がっているということです。
 ちょっと時間がなくなりましたので、被害状況は、もう一枚めくっていただきますと、農林水産省の資料をもとにつくられた被害状況の地図がございます。それをごらんいただきますと、被害は九州から関東まで広がり、発生面積も、九州にかかわらず、全国的に増加傾向にあります。被害面積も拡大しています。被害がこれ以上拡大しないための早急な対策をとる必要があると思いますが、大臣、いかがでしょうか。

○山本(有)国務大臣 都道府県からの報告によりますと、平成二十六年の水田における発生面積は、二十五府県で八万五千ヘクタールとなっております。近年は十万ヘクタール前後で推移をしているものと考えております。
 水稲におけるスクミリンゴガイの防除対策でございますが、まず、取水口にネットや金網を設置して水路からの侵入を防止する、また、移植後、浅水管理によりましてスクミリンゴガイの移動を抑制する、登録農薬により薬剤防除をする、冬の時期、冬期の耕うん等による越冬貝の防除等を実施しまして、被害の軽減をしているところでございます。
 農林水産省としましても、引き続き都道府県と連携しつつ、スクミリンゴガイの防除対策にさらに一層取り組んでいきたいというように思っております。

○斉藤(和)委員 これはアルゼンチン産ということもあって、寒いところでは繁殖しないということで、関東の、千葉県はなかったんですが、ここに来て拡大している、千葉県、茨城ぐらいまで来ているわけですね。温暖化が進んでいくと、さらに広がる可能性があるわけで、やはり被害が出ていない地域にも注意喚起をして対策をしていく必要があると思うんです。
 昨年十一月二日の指定有害動植物の見直し検討会の概要というのが出されています。そこで委員の方から、スクミリンゴガイを指定有害動植物の候補として検討した方がよいという意見がされているんです。しかし、これに対して農林水産省は、移動性が乏しく発生地域も限定的であるから指定有害動植物にはなじまないというふうに答えているんですね。これだけ拡大していて限定的という認識で、私は率直に言って、よくないし、改めるべきだというふうに思うわけです。
 大臣、真剣な検討と対策が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○山本(有)国務大臣 指定有害動植物につきましては、植物防疫法二十二条で、「国内における分布が局地的でなく、且つ、急激にまん延して農作物に重大な損害を与える傾向があるため、その防除につき特別の対策を要するもの」という限定がございます。
 しかしながら、スクミリンゴガイの被害がこれほど広範囲に拡大していることを踏まえまして、今後ともスクミリンゴガイの発生動向を注視しつつ、なお適切に検討を重ねていきたいというように思います。

○斉藤(和)委員 ぜひ、これ以上拡大しない、そして今被害に遭っているところに適切な支援と対策をしていただくことを最後に強調して、質問を終わります。
 ありがとうございました。