3月9日の衆院農水委員会で政府のTPP影響試算について質問しました。
この20年間の離農者は129万戸に達し、離農のスピードは加速しています。高齢化が進む中、農業機械・設備の更新を前に離農するかどうか悩んでいる農業者に、TPPは追い打ちをかけることになります。
しかし、政府の影響試算はTPPで農産物輸入を増やしても政府の対策で国内の生産が維持されるとしていますが、離農に起因する生産量の減少は考慮していないのです。この点を追及しましたが、森山裕農水相は「今後も考慮するつもりはない」と答えました。
また、米の備蓄についても質問しました。
日本政府が米価安定に対する責任を放棄し続けながら、TPP対策のためなら国産米を備蓄米として買い入れるとしたことは筋が通りません。森山農水相は「(米価対策としての)買い上げはやらない」と述べ、米価暴落に苦しむ農家に背を向ける姿勢を示しました。また、現状では5年ほど保管したのち飼料用米として市場に出ていきますが、保管期間を3年ほどに短縮してしまう政府案だと、主食用米として市場に出ていくのではないかという懸念もあります。巨額の保管費がかかる備蓄を財務省がいつまでも許しておく保障はありません。この点について追及しましたが、大臣は「そんなことにはならない」ととぼけるだけでした。
さらに、在日米国商工会議所が准組合員の利用率と農協の共済制度を名指しで批判している点も糺しました。同会議所は「WTOのサービス貿易に関する一般協定」に反するとまで指摘し、紛争処理小委員会に持ち込むぞと言わんばかりの脅しをかけています。この点について「断固拒否するのか」と聞きましたが、大臣は明確に答えませんでした。
TPP影響試算 離農者考慮せず 衆院農水委