漁獲共済は、漁獲金額が不漁等により減少した場合の損失を補償する制度。過去5年間のうち最大金額と最少金額の年を除いた3年間の平均の7~9割を補填する制度であり、漁業者の7割が加入しているとされている。
しかし、加入率の計算方法は漁獲金額を基礎に算定されており、実態を反映していないという声があった。すなわち、大きな規模の経営体は加入しやすいが、小規模な経営ばかりの漁協だと経営体ごとに漁獲金額を集計するなどの事務を行うマンパワーが足りない実情があるというのである。
経営体数を基礎に算定することを試みたが、1隻に多数の経営体が参加するなど形態がさまざまであり、全国的に加入可能な経営体を把握するのはすべての漁業者の実態を個別に調べていく必要があることが分かり、困難に直面した。
そこで、試みに茨城県と島根県をピックアップし、両県の漁協ごとの加入状況を個別に調べることにした。その結果、加入率は両県で大きな差があるが、必ずしも小規模だから加入率が低いわけではないことが分かった(境港の10~20㌧の加入率は100%など)。ただしこれのみによって全国的な傾向を推測することはできない。
漁獲共済加入状況(茨城、島根)
投稿日:2016年03月11日