通常国会を終えて…監視と支配を強める悪法の数々。心ある人たちの手をつなぎ政治を変えよう!
投稿日:2024年07月01日

アジアで2000万人、日本人310万人、沖縄では住民の4人に1人の命が奪われた戦争から79年。二度と戦争はしないと誓った憲法9条はそのままに、戦争準備は着々と進められている、そう強く感じた国会でした。

1月26日召集で始まった通常国会は「裏金」と「軍拡」が大きな焦点となりました。しんぶん赤旗のパーティー券をめぐる報道をきっかけに、パーティー券購入という形で企業・団体から献金を集めていたこと。派閥から議員へのキックバックが行われていたにも関わらず政治資金収支報告書に記載せず「裏金」が作られていることなどが明るみに出ました。

自民党への怒りは、岸田政権の支持率を2割台まで押し下げ、4月の3つの衆院補欠選挙で、立憲民主党の候補が圧勝しました。

国会では、政治資金規正法改定案が議論されましたが、企業・団体献金の抜け穴はそのままに、パーティー券購入者の公開基準額を「20万円超」から「5万円超」にしたものの複数回、複数人で分担購入すれば非公開のまま、しかも開始は2027年。また、政党本部から自民党幹部に渡されてきた「政策活動費」は、そもそも法律に規定がなく脱法的なものでした。それを法定化し領収書や明細書などの公開は10年後。しかし、規制法違反の時効は5年後のため公開したところで罪に問われることはありません。

国権の最高機関であり、唯一の立法機関である国会が、国会議員自らの悪事を温存し合法化する法律まで作る、これが自民党であり、それを支える公明党、維新の会です。

こうした問題の背景で、テレビではほとんど報道されないまま、いくつもの法律が成立しました。

◆「何が秘密かは秘密」しかもその秘密に関わる民間事業者らの身辺調査を自由に行う権限を政府に与え、対象や調査の中身も法案成立後に政府が決めるという「重要経済安保情報保護法」

◆陸海空自衛隊を一元化し米軍の指揮下に組み込む「改定・防衛省設置法」

◆イギリス・イタリアとの次期戦闘機の共同開発・生産・輸出を推進する機関(GIGO)を設立する条約の承認(いずれも立民、国民も賛成)

◆国に「指示権」を与え地方自治への不当な介入を可能にする危険がある「改定・地方自治法」

◆DVや虐待に苦しむ子や親をその環境にしばりつけ人権侵害を拡大しかねない「共同親権」の導入を含めた「改定・民法」

◆総額3兆6000億円「子ども・子育て支援金制度」を創設し公的医療保険料の値上げで財源を作る「改定子ども・子育て支援法」

◆国の食料自給を投げ捨て自国の農業を破壊し輸入拡大一辺倒の「改定食料・農業・農村基本法」

◆食料不足時には農家に芋などの増産を指示し、従わなければ20万円の罰金を課す「食料供給困難事態対策法」

これら悪法は、どれも国の権限を拡大し、国民への監視と支配を強め基本的人権を脅かす憲法を踏みにじる法律ばかりです。物価高騰で苦しむ国民からの税金は軍拡に優先され、足らない分はさらなる社会保険料などの負担を国民に押し付ける。「富国強兵」「欲しがりません勝つまでは」「産めよ増やせよ」そんな標語が思い浮かびます。

政権交代を望む声は日増しに高まっています。ただ、一つ注意しなければならないことは、政権交代をさせてどんな政治に転換するのか。その政策、ビジョンを国民的な運動を通じて構築していくことです。政権交代をして、戦争準備がさらに進んだのでは意味がありません。

この国の進むべき道を決められるのは、主権者国民です。カネと権力を持つ人たちは、それを変えようとする勢力を必ず攻撃し分断します。私たちがたたかうべき敵は誰なのか。混乱期その敵を決して見誤ってはならないのです。共にがんばりましょう。