斉藤和子議員は11月22日に開かれた衆院農水委員会で、農業者の重い負担となっている生産資材価格を引き下げるための取り組みを進めるよう政府に要求しました。
規制改革推進会議の提言はすり替え、全農つぶし
斉藤氏は規制改革推進会議が11日に発表した農協改革に関する提言に触れ、「いきなり、生産資材価格引き下げ問題をJA全農(全国農業協同組合連合会)の問題にすりかえ、攻撃してきた」と強調。「進展が見られないなら、『第二全農』を設立すべきだなどとと言及した。全国の農業関係者に強い反発が広がっているのは当然だ」と批判し、「全農は協同組合。自主的な改革が必要だ」と強く主張しました。
その上で斉藤氏は「トラクターやコンバインは1千万を超える。農業資材は農家にとって重い負担だ」と述べ、「農機具メーカーのクボタの財務データでは、3年半で1兆円も資産が増えている。(国内向けより輸出用の農機具の方が安いという実情を踏まえ)海外向けのものを国内にも開放する、シンプルな機能で低価格なものを販売するなどのメーカーの取り組みを求め、後押しすべきだ」と要求しました。
山本有二農林水産大臣は「農業機械メーカーや関係団体に対し、具体的方策の検討を促し、技術開発・新規参入に向けた環境整備を支援する」と答弁しました。
さらに斉藤氏は「資材価格を引き下げる努力は必要だが、より根本的には再生産可能な価格を保障し、農家の所得を保障することが必要」と指摘。「これをやらずに、農業問題がすべて全農が悪いかのように描く規制改革推進会議の意見は、農家のためを装いながら、実際は『全農をつぶす』と宣言しているようにしか思えない」と厳しく糾弾しました。
稲を食い荒らすジャンボタニシ 国が対策を
このほか、斉藤氏は生息範囲が拡大している害虫のスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)に対する政府の対策を求めました。
ジャンボタニシは水田の若い稲を食い荒らします。南米から食用で導入され、一時広く養殖されていましたが、人体に寄生する線虫が見つかったことで輸入が禁止され、廃業が相次ぎました。対策が取られないまま放置された養殖場も多かったため野生化し、分布を広げています。
斉藤氏は毒々しいピンク色をした卵の写真を示し、「九州から関東まで広がっている」と指摘。「被害が年々拡大している。早急な対策が必要だ」と主張しました。
また斉藤氏は、「温暖化が進めば、さらに被害が北上する可能性がある」と述べ、被害が出てない地域にも注意喚起が必要だと強調。さらに、国による発生状況の調査や情報提供が求められる『指定有害動植物』への指定を真剣に検討すべきだと訴えました。
山本有二農水大臣は「都道府県と連携しつつ防除対策に取り組む」とし、指定についても「これほど広範囲に拡大していることを踏まえ、発生動向を注視して検討する」と答えました。
(スタッフK)