斉藤和子議員が4月22日に行った衆院TPP特別委での質問に、じわりと注目が集まっています。質問は輸入食品の検疫制度が抜け穴だらけであることを指摘し、TPPでさらに事態が深刻化すると警告したもの。食の安全が脅かされる事態だけあって、各種メディアで取り上げられています。
現行の輸入食品検疫制度では、サンプルを抽出して行うモニタリング検査(行政検査)が中心。結果が出る前に流通を認める検査なので、食品衛生法違反の食品が大量に消費されてしまっています。斉藤氏は、基準値を超えて残留農薬などが検出されたトマトやマンゴーが大量に販売・消費されている事実を示す資料(2014年度)を突きつけ、政府を追及しました。
当初、この質問を取り上げたのは本紙のほか朝日新聞のみ(4月23日付5面)でしたが、その後5月8日にはネットメディアの「ビジネスジャーナル」で取り上げられ、ヤフーニュースに転載されたほか、月刊「食べもの通信」にも掲載されました。
「全国農業新聞」は5月20日付3面で、大きく報道。「斉藤氏は(中略)試験結果の判定を待たずに輸入されるモニタリング調査の仕組みを問題視した」と紹介し、TPPで輸入食品が増加することを指摘して、「懸念が払拭できないうちは、条約(TPP協定)の批准などとても国民の理解は得られない」と断じています。
6月発行の宝島社のMook「激安食品の正体」では、低価格食品の異様な安さのからくりを紹介しつつ、「食品がどこから来て、何が含まれ、どうつくられているのかを知るべき」だとして、斉藤議員の質問資料を掲載。TPPでますます汚染食品が流通してしまうと警鐘を鳴らしています。
このほか、国会の斉藤事務所には週刊誌の取材などもきており、今後も注目が集まりそうです。
(スタッフK)