斉藤和子衆院議員は11月21日、衆院決算行政監視委員会第一(外務)分科会で質問に立ち、陸上自衛隊・木更津駐屯地に設置が予定されている日米共通のオスプレイ整備拠点について政府を問いただしました。斉藤議員は、同駐屯地が実は米軍の管理下にあり、グアムからペルシャ湾という広大な地域を管轄する米海軍の整備部隊の一翼を担うことを暴露。訓練に加え整備でも日米の一体化が進み、海外からもオスプレイが木更津に集まる危険性を指摘しました。
陸自・木更津駐屯地--実は米軍基地だった
斉藤氏はまず、「今月13日には木更津で県民集会が開かれ、1300人が整備基地化反対の声を上げた。ここに民意がある」と強調。その上で、「日米地位協定の第2条4(a)により日米が共同利用する米軍の航空基地は4つある。それが米軍三沢基地、米軍厚木基地、米軍岩国基地と、木更津だ」と指摘し、「なぜ木更津だけが米軍の駐留もなく、恒常的な使用実態もないにもかかわらず、米軍管理のままなのか」とただしました。
政府側は、1968年の第9回日米安全保障協議委員会で「米軍に不可欠」とされて以降、40年にわたって返還されてないと答弁。斉藤氏は「地元の人々は、自衛隊基地だと思っている。住民や自治体をだますようなことはやめるべきだ」と主張しました。
推進しているのは地球半分を管轄する整備部隊--米世界戦略と一体化
次に斉藤氏は、米海軍と海兵隊の航空機整備部門のニュースリリースを示し、「木更津でオスプレイ整備を担当する富士重工と契約したのは、厚木に本拠地を置く西太平洋艦隊即応センター(FRCWP)だと書いてある。このFRCWPはグアムからペルシャ湾という広大な範囲を担当している部隊だ。しかも、米国国内にあるFRCの本部の司令官がわざわざ木更津駐屯地を訪ね、陸自の指令と懇談している」と指摘。「世界に展開する整備部隊と木更津の整備基地化は密接にかかわっている。陸自の統合幕僚長が昨年、米国の司令官との会談で『オスプレイのリージョナルデポを日本に置いてほしい』と発言していたが、その通りに木更津は広域的な整備拠点として発展していくのではないか」と追及。訓練だけでなく「整備でもアメリカの世界戦略と一体化するものだ」と批判しました。
若宮健嗣防衛副大臣は質問には答えず、「木更津はケネディ駐日大使も訪問している。見学したからといって契約したことにはならない」などと答弁しましたが、公式のニュースリリースに「契約者だ」と明記されているので苦しい言い訳です。
住民や自治体の声を聞け
斉藤氏は「事故率が高いオスプレイが市街地を飛ぶのではないか、運用時間は守られるのか、夜間はとばないでくれるのか、多くの声を聞いている。協定は作るのか」と迫ると、若宮副大臣は「運用開始までにはつくる」と答弁。斉藤氏は「地元自治体との協定もない。住民説明会も一回も開いてない。こんな状態で1月からの運用開始など許されない。そもそも日本の空にオスプレイは必要ない」と強調しました。