斉藤和子衆院議員の「食の安全」に関する国会活動が引き続き注目を集めています。消費者問題に関連するニュースを扱う専門紙、ニッポン消費者新聞は12月1日付1面で斉藤議員が提出した質問書を取り上げました。この質問書は、NPO「食品安全グローバルネットワーク」の中村幹雄事務局長(鈴鹿医療科学大薬学部客員教授)と連携し、厚労省、消費者庁へ提出したもの。中村教授は「(質問により)未承認遺伝子組み換え食品添加物が輸入されても国は十分対応できないことが分かった」「(国は)万事、消極姿勢だ」と話しています。
質問は、食品添加物や遺伝子組み換え食品に関する表示、食品監視体制の実態などについて、消費者保護の観点から政府の姿勢を質したもの。同紙はこれを取り上げ、「消費者保護策後退か」「食品政策にレッドカード」「規制改革背景」「発揮されない監視機能」と見出しを立てています。
中村教授は紙面上で、「消費者庁は、輸入食品の表示監視の実績はなく、食品添加物についても使用目的を指導した実績がないと答えている。課せられた義務を遂行するということにすら自覚が薄いのではないか」とコメント。「行政監視が行き届いてない現状に対し、国会議員は消費者・市民団体と連携して食品問題の実態を調査、迅速な改善策の採用」が必要だとしています。
地方紙でも
信濃毎日新聞の10月26日付夕刊3面では、「TPP 日本の現場から」という連載記事で斉藤議員の国会質問を取り上げました。記事中では、斉藤議員が「輸入食品の安全性について国会で取り上げてきた」とし、「斉藤議員の調査だと、残留農薬の基準値を超えるなど、ルール違反があるのに輸入され、消費・販売された食品は14年度にトマト、キャベツ、ニンジン、マンゴーなど延べ11品目もあった」と紹介しています。
中部経済新聞11月15日付13面の「TPPルポ 国の形が変わる」でも、「輸入の増加で検疫に負担」「低下する検査率 選ぶ権利の充実を」の見出しで斉藤議員の質問を紹介しています。
(スタッフK)
消費者庁への質問項目は以下の通り。
1、輸入食品や輸入添加物の表示監視を国内流通以前に実施しているか
2、食品表示の管轄が消費者庁に移管されてからコチニール色素製剤など食品添加物製剤の表示監視を実施しているか
3、たくわん着色料のリボフラビンのように、影響強化か着色か判明しない物質があるが、添加物の使用目的を監視しているか
4、甘味料には健康予防観点からの注意表示があるが同じ用途の新規指定物質にはその表示がない。この扱いについて消費者委員会に諮問するか
5、英国では赤色40号や黄色4号などアゾ系タール色素を使用した加工食品に子どもの行動に影響を与える注意表示の記載があるが、日本でも導入する検討を消費者委員会に諮問しないのか
6、既存添加物収載リストには「基原・製法・本質」に適合しない遺伝子組み換え技術を使った「L-ヒドロキシプロリン」のような添加物もある。監視はしないのか。
7、一般飲食物添加物の中には同一物質でありながら異なる名称表示の可能性を持つ物質がある。自称者の重複対応を是正しないのか
8、食品添加物の一括名、簡略名、類別名を廃止し、物質名表示を基本とすべきではないか。多くの添加物が使用されている「カロテノイド色素「には、消費者の期待する性質を持たない物質も含まれる。増粘多糖類にはグァーガムやキサンタンガムなどアレルギー発症事例のある物質も含まれている。物質名表示に改めるべきではないか
9、アレルギー表示は義務表示対象品が7品目で少なすぎる。キャリーオーバー扱いの添加物も含め食品に残存するすべての物質名称を表示すべき
10、遺伝子組み換え技術を使った食品添加物の販売ではその旨を加工食品の製造者にラベル・伝票などで伝達するよう制度を改める考えはないか