介護保険 現場は悲鳴
投稿日:2017年04月20日

食費・サービス利用削る 低賃金・マイナス決算
 改悪案廃案へ集会 国会内

 介護保険法等改悪法案の徹底審議と廃案を求めようと20日、国会内で「介護保険法『改悪』に反対する集会」が開かれました。介護家族や事業者、労働者らが現場の深刻な実態を報告しました。
 中央社会保障推進協議会代表委員で全国保険医団体連合会会長の住江憲勇さんがあいさつ。「衆院厚生労働委員会のわずか4回目の審議での採決強行は断じて許せない。あらゆる行動で廃案にしよう」と呼びかけました。
 2015年の介護保険改悪で利用料2割負担の一部導入や特養入所制限などが実施され、サービス利用を抑制せざるを得ない深刻な影響が出ています。
 全日本民医連の林泰則事務局次長が基調報告し、法案の問題点は15年の改悪による困難な現状を放置したまま、「現役並み所得」者の利用料3割化や、利用者を介護からの「自立」へかり立てる仕組みづくりなどと指摘。国民に新たな困難を押し付けるものだと批判しました。
 「食費を削らないと生活が保てない」「サービス利用を減らさざるを得ない」―。「認知症の人と家族の会」東京都支部の大野教子代表は、前回の改悪による影響調査で寄せられた痛切な声を紹介し、「利用者の生の声を国に届けるため、めげずにどんどん発信していく」と語りました。
 東京都八王子市の介護事業所「ゆぎの里」の上田紘治理事長は「20年やってきたが、相次ぐ介護報酬の引き下げで昨年度初めてマイナス決算になりショックを受けている。この1、2年で地域の6事業所が閉鎖した」と語りました。
 グループホームで介護職として働く久保遼太郎さんは人手が確保できず、長時間労働と残業で補っているといいます。「人手不足の大きな要因である低賃金と大変な労働環境の改善が大事です。がんばっていきたい」と話しました。
 日本共産党、民進党、社民党の議員が参加。共産党から、堀内照文、斉藤和子、清水忠史の各衆院議員、田村智子、山添拓、武田良介の各参院議員があいさつし、小池晃参院議員がメッセージを寄せました。
 集会は中央社保協と保団連の共催。医師・歯科医師、市民ら200人が参加しました。(2017年4月21日・しんぶん赤旗)