予算委分科会 「教育に穴があく」問題 国が実態つかめ
投稿日:2017年02月22日

 日本共産党の斉藤和子議員は22日の衆院予算委員会第4分科会で、産休病休の代替教員を配置できずに「教育に穴があく」事態が生じている問題を取り上げ、全国の実態調査を要求しました。政府側は「各県教育委員会と情報を共有する」と答えました。

千葉県独自調査、未配置100人以上
 千葉県では、現場の声に応えて独自に実態を調査。その結果、11月には100人を超え、12月で134人、1月で119人、2月で112人と、県下の公立校で多数の教員の未配置が生じていることが明らかになっています。県内のある小学校では産休代替の教員が見つからず、学年の3クラスのうち1クラスを残りの2クラスに合流させた結果、一時1クラス50人以上になってしまった例もありました。

 斉藤氏は「こうしたことが全国で起きている。異常事態だ」と強調。「国として未配置の状況をつかむべきだ」と迫りました。文科省の藤原誠初等中等教育局長は「代替教員がいないことは問題だ。各教育委員会と情報を共有する」と答えました。

非正規教員の拡大は国の責任
 また斉藤氏は、その一因となっている非正規教員の増加の問題を指摘。教員定数の100%が正規なのは東京都のみで、90%を割り込んでいる県は埼玉、奈良、和歌山、岡山、福岡、宮崎、沖縄の7県あり、8年前は奈良、広島、沖縄の3県だけだったのと比較しても増えています。しかも、パートに近い働き方をする場合も多い再任用の教員は正規教員にカウントされてしまっています。

 斉藤氏は、非正規が増加している原因として正規教員の定数を非正規教員に換算できるようにした「義務標準法」の改正(01年)や、非正規教員を雇うための自治体の裁量を拡大した「総額裁量制」の導入(04年)などを挙げ、「非正規を拡大するような仕組みを作ってきた国の責任は重大だ」と追及。斉藤氏は「そもそも、あまりに教員の定数に余裕がなさすぎる。子どもたちの学ぶ権利を保障するため、本腰を入れ、国全体で増員に取り組むべきだ」と主張しました。

 松野博一文部科学大臣は「可能な限り正規が望ましいというのが文科省の基本的立場だ。財源の問題もあるが、しっかり教員定数を確保したい」と答えました。

特別支援教育支援員の増員を
 さらに斉藤氏は、発達障害を含む障害のある子どもたちを学校でサポートする特別支援教育支援員の増員を求めました。
 特別支援教育支援員は2007年からスタート。ADHDなどの特別の支援を要する子どもが支援学級や通常学級にいる場合に教員をサポートする支援員を自治体が配置し、国がそのための財政支援をする制度です。

 しかしこの財政支援は、児童数にかかわらず小学校で1校198万6000円、中学校で100万円となっています。こんな少額ではとても必要な人員配置はできません。斉藤氏は「学校現場の多忙化の中、先生の負担を軽減するためにも、子どもたちの学ぶ権利を保障するうえでも、さらなる財政措置をすべきだ」と要求しました。
 松野大臣は「適切な支援ができるよう努める」と答えました。
(スタッフK)