2014年12月20日(土)
激戦リポート 南関東ブロック 18年ぶり 3議席に躍進
自民支持者も 「こんどは共産党」
比例南関東ブロック(定数22)で日本共産党は、2012年の総選挙の得票を1・8倍に大きく伸ばす81万3634票(得票率11・9%)を獲得しました。前回の1議席から1996年10月の総選挙以来、18年ぶりに3議席に躍進し、志位和夫委員長につづき畑野君枝さん、斉藤和子さんを衆院へ送りだしました。
自民党は、比例で前回比31万票余り増の232万1609票、2議席増の8議席を得ました。しかし得票率は33・96%と全体の3分の1にすぎません。公明党と合わせても46・77%と5割に届きません。小選挙区では、山梨県で議席を失い、2人減の24議席にとどまりました。
26選挙区10%超
すべての小選挙区に立候補した日本共産党の33人の候補は、自分の言葉で安倍政権の暴走ストップを訴え、どこでも「自共対決」を鮮明にして全力でたたかいました。26人が10%以上を得票し、安倍政権の主要閣僚、菅義偉官房長官が立候補した神奈川2区は、共産党、自民党、生活の党の3党の争いで、三輪智恵美さんが4万7119票(得票率21・69%)の得票で2位になるなど、3選挙区で次点となりました。
日本共産党が「80万票の得票で、2議席を絶対に確保し、さらに3議席目を」の目標を超過達成した原動力は、勢いを示す宣伝活動と、目標達成を正面に据えた支持拡大活動です。ターミナル駅や繁華街での宣伝を強化し、横浜市の横浜駅周辺で終日宣伝するなど、各地で旺盛にとりくみました。
支持拡大も名簿にとどまらず、つながりや地域の電話帳なども使い、幅広く訴えました。支持拡大の取り組みで、目標を大きく上回った支部も多数生まれました。
広く宣伝・対話
積極的な宣伝、対話・支持拡大を繰り広げるなかで、これまで共産党を支持してこなかった人たちの間にも、期待が広がりました。
自民党を支持していたという横須賀市の女性(80)は「原発(再稼働)は絶対反対。自民党には、もう入れるつもりはない。比例は共産党」と語りました。
他党派の地方議員をはじめ、さまざまな人が共産党への支持を訴えたのも特徴です。
初めて共産党への支持を街頭から訴えた男性(65)=山梨県北杜市=は「マスコミはこぞって自公大勝利と報じていますが、そうではありません。共産党が議席3倍増に迫る大躍進をし、きっぱりと『脱原発、集団的自衛権反対、TPP反対』を直言できる勢力が伸びたのです」と話します。
選挙後も共産党の事務所には、有権者から激励や期待の声、「しんぶん赤旗」購読の申し込みが相次いでいます。メールで日曜版購読を申し込んだ青年は「私たち若い世代がこれから共産党をどんどん応援することが重要だと思った」と書き添えました。
(佐藤つよし、神奈川・大貫清文、下元怜美、山梨・志村清)