2015年1月17日(土)
教育署名 力つなぐ 735万 集約集会 30人学級や高校無償化
公立・私立学校の保護者や教職員でつくる「ゆきとどいた教育をすすめる会」は16日、東京都内で「ゆきとどいた教育を求める全国署名集約集会」を開きました。高校生や保護者、教職員など300人が参加。各都道府県の代表が署名数のパネルを掲げて登壇し、この日までに全国734万9097人から署名が寄せられたことを発表しました。
署名は、30人以下学級の実現、「高校無償化」の復活、私学助成の増額、障害児学校の設置基準の策定、東日本大震災・原発事故からの復旧・復興などを求めるものです。
東京と神奈川の私学の高校生が発言。東京の高校生は、学費の問題にもっと関心をもってもらおうとDVDを作って署名をすすめ、昨年より400人多く集めることができたと報告。「この運動を後輩に引き継ぎたい」と決意をのべました。
富山県の高校教員は、署名の原点に立ち戻ってチラシを広く配り、保護者や議員と懇談。「学費の高さは、誰もがおかしいと感じてくれる。思いを伝えれば必ず輪が広がる。あきらめずにがんばりたい」と語りました。
全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)の山口直之書記長が基調報告。26年間で4億3000万人超から集めた署名の力で教育条件を少しずつ改善させてきたことに確信をもとう、と強調しました。同時に、全教育段階における日本の公財政支出はОECD加盟国中、下から2位であり、教員の勤務実態も厳しいと指摘。「どこで育っても経済的に心配なく学びにアクセスできるよう、国の責任による制度の整備を求めよう」と呼びかけました。
私学助成の拡充求める
全国私学署名をすすめる会は16日、衆院第1議員会館で、就学支援金や私学助成の拡充による学費の公私間格差是正を求める集会を開きました。全国から私学の高校生や保護者、教職員など256人が参加。私学助成の拡充を求める請願署名は、この日100人追加され、637万909人にのぼりました。
北海道と神奈川の高校生らが発言。神奈川の女子高校生は、「人前に出るのが苦手な自分を変えたい」と私学に進学しました。家族は多く学費が心配。母親は「お金のことは心配せずに、好きなことに熱中しなさい」と応援してくれますが、通帳を開いてため息をつく姿を見かけ、申し訳ない気持ちだといいます。「何かを変えたいというその背中を押してあげるのが大事じゃないかと思う」と私学無償化への思いを語り、大きな拍手を浴びました。
全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)の永島民男委員長は基調報告で、独自の学費軽減支援策から手を引く自治体もあると批判。「国と自治体の両方に制度の拡充を求めよう」と署名のさらなる積み上げを呼びかけました。
各党の国会議員が参加。日本共産党から大平喜信、斉藤和子、畑野君枝、宮本岳志、本村伸子の各衆院議員、井上哲士、田村智子、仁比聡平の各参院議員が参加してあいさつしました。