日本共産党の斉藤和子議員はこのほど、浸食がすすみ消滅の危機にさらされている千葉県の九十九里浜海岸を視察しました。
同海岸は房総半島の東側、太平洋に面した全長66キロの海岸です。かつては白い砂浜が広がり、イワシ漁や海水浴客でにぎわう有数の海岸でしたが、現在は崖のように切り立った砂壁が続いています。
海水浴場の駐車場も削られ、アスファルトの舗装がひさしのように突き出て危険なため立ち入り禁止。波間に顔を出すパイプは、海の家があった場所の水道管。海水浴場の閉鎖も相次いでいます。
浸食の主な原因の一つは、屏風ヶ浦などの同海岸の南北に県が設置した消波堤によって、潮の流れが変わったこと。また、地元住民や自然保護団体が指摘するのは、侵食対策のために県が1基約10億円などで現在までに22基設置した人工岬「ヘッドランド」が、離岸流を生み出し、逆に砂の流出をすすめているという問題です。
そのほかにも、東日本大震災で遠浅だった改定の地形や海流が変化し、流出した砂が戻らなくなったと指摘する声もあります。
斉藤議員、市川りゅう子・白子町議、浅野ふみ子参院選挙区候補らは、砂が削られ景観が一変した中里海岸(白子町)、一松海岸(長生村)を視察しました。現場は、近隣住民から「海水浴客はめっきり減った」「高潮でも浸水しかねない。引っ越した方がいいか」などの不安の声があがっているとことです。
視察後、斉藤議員は「あまりの浸食のひどさに驚いた。早急な対策が必要なのはもちろんだが、まず国はこの現場を見に来て、詳細な調査をするべきだ」と話しました。
(写真)浸食が進み、舗装が削られた海水浴場の駐車場を視察=スタッフ撮影