「種苗法」改正案の問題点
投稿日:2020年05月08日

「種苗法」改正案が、審議されようとしています。

本来、本会議で質問すべきぐらいの問題だと思いますが、

12日(火)に衆議院の農林水産省委員会で、法案の趣旨説明

14日(木)に質疑、採択の動きだと言います。

今回の「種苗法」の改正は、新しい品種(種)の海外流出を防ぎ、開発した者(個人・企業等)を保護するためだと、今まで例外とされていた農家による自家増殖(自分で種を取ること)を原則禁止します。

農水省は、伝統的な野菜(在来種)や、登録期間がきれた品種、品種登録されていない、例えば「ふじ」「コシヒカリ」「桃太郎(トマト)」などの「一般品種」と言われるものは対象外「大部分は今までと変わらない。心配には及ばない」としています。

だったら変える必要はないのです。

「種子法」を廃止し、今度は「種苗法」を変える背景には、人類が誕生し農耕が始まってから取捨選択されながら代々受け継がれてきた「種子」=「公共財」を、儲けの対象にする遺伝子組み換え種子を開発する「モンサント」などの企業の台頭があります。

世界の種苗の貿易額は、80年代後半以降急速に拡大し、2016年には114億ドルとなり、世界の種苗市場規模は約450億ドルと見積もられています。

誰もが自由に利用できる「種子」のままでは、儲けにはならないのです。

今回の法改正には、容易に品種登録ができる仕組みや、品種登録した種子を勝手に使用したと裁判に訴えたら「裁判での証拠等に活用できるよう、農林水産大臣が判定する制度」まで設けられます。

つまり、誰もが自由に使えていた品種(一般品種)の一部を変え、品種登録されたら、似通っていると裁判に訴えられかねません。

「一般品種」は対象外だから大丈夫と言いますが、その担保の仕組みは不確なのです。

すでに世界では、農家がモンサントから訴えられる事件が起きているのです。

そんなに心配する事はないと、保健所は半数に削られ、私たちはコロナ禍の中で、危機にさらされています。

黙っているわけには行きません!!

久しぶりに法案や資料と真剣に向き合い、怒りが湧いてきました。